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S-320 Element フレーム班 設計・活動方針

 S-290 でリカンベントアップライトのフレームの誕生、S-300 で解析向上による大幅な軽量化、S-310でフレームの最適化による更なる軽量化など、フレームは大きく進化したので、S-320 ではその進化の最終形に近づけたらと考えています。

設計方針

 S-310 のフレームにおいて、軽量化およびフェアリングの面積減少による空力性能向上のために桁の本数がさらに減らされました。特に大きな変更点はピラーが 2 本であることです(図 1)。
 しかし、Aピラーを無くしたことで、コックピットがねじれやすくなるという新たな問題が生じました。例えば、TF において、飛ぶ直前に機体の傾きを直す際に FB のプロペラ付近を押してもコックピットのねじれによりなおりにくいという問題や、パイロットが漕ぐときにコックピット全体が若干振動するなどという問題が発生しました。よって
S-320 では桁の本数は少なめにしますが、ピラーは従来の通りに 3 本生やすという方針にしようと思います(図 2)。
 フレーム形状は、桁の本数を必要最小限に抑える代わりに、各桁を大径化する方針です。さらに、フレームにおけるパイロットの姿勢の最適化により、Bピラーおよびシャフトを垂直にしつつ、フレームの小型化に成功しました。特に FB の高さが約 8cm 低くなったことで機体運用性が向上すると考えられます。
 前述のように S-310 のフレームは剛性不足の部分があったので、S-320 では、多少重くなっても剛性が確実なフレームを目指します。また、大きな変更点は、テールをΦ120 に大径化することです。これにより、断面二次モーメントの増加に伴う剛性の向上が見込まれます。

図 2 10 月末時点でのフレームの形状や桁の径
図 1 S-310 のフレーム

バルサコア

 バルサコアは、断面二次モーメントの増加による剛性向上や、局部座屈を防止できるという利点から、S-310 ではピラーに採用されました。(本来はテールにも採用予定でしたが、バルサコア入り桁の巻き工程(図 3)に失敗したため、採用には至りませんでした。)
 導入した時に分かった欠点として、バルサコアには「バルサコア入り桁はねじれやすい」「巻き作業が難しく、桁が没になるリスクがある」があります。また、S-320 フレームにおいてバルサコアの効果が見込める部分はテールのみであることから、来年度のフレームではバルサコアの採用を見送る方針とします。

図 3 バルサコアを巻いて
いる様子

総括

 S-320 では、S-310 のフレームの数々の改良点を経て良かったこと、悪かったことを分析し、それを踏まえて双方の良いところを吸収したフレームを作ります。バルサコア以外にも、開繊クロスの使用や、自作カーボンプレートの使用など、S-310 で行った変更点の継承や、3D プリンターの使用による製作精度の向上などでより良いフレームを目指します。