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S-320 Element 翼班 構造設計・活動方針

 構造設計は主に一次構造やマウントなどの設計と翼班全体の作業監督を行います。今年度は桁荷重試験を例年よりも早い時期に行う予定であり、一次構造の製作もそれに伴い大幅に前倒しにして行うことになりました。
 全幅約 40m の主翼製作は技術面だけでなく体力面でも大変なことが多いですが、26 代 12 名に 27 代翼班を加えた大人数で過去代から引き継がれてきた技術をさらに進化させてパイロットの限界まで漕がせる機体にふさわしい翼製作に励んでいきます。

設計方針

 S-320 の翼は絶対に折れてはならないということで重量より安全性を優先した設計方針を取りました。具体的には桁破壊試験(図 1)で得たデータから主桁の積層を変更し、より軽量化を行うことも可能だと判断しましたが S-310 が琵琶湖で飛行していない以上、一次構造を大きく変えることはするべきでないという決断をしました。よって主桁の積層は S-310 と同じであり、その他の構造に関してもほぼ同じものを採用する予定です。
 しかし、これまであまり詳しい解析が行われてこなかった尾翼まわりのマウントやワイヤーまわりの機構に関してはしっかりと解析をして安全性を確かめたうえで新機構を採用するか検討していく予定です。

図 1 桁破壊

製作について

 今年度は S-310 の翼桁が綺麗な状態で残っていることや、主桁の設計変更をしないこと、桁荷重試験が早まることなどを総合的に考えてs1(中央翼から 1 番目の区間)とs4(中央翼から 4 番目の区間)を再利用することにしました。二次構造は設計が変更されるためリブやストラットをきれいに取り除いて主桁のみの状態にする必要がありましたが、桁巻きにかかる労力や費用を考えると TBT にとってメリットの大きい取り組みだと考えています。
 また、S-310 のs4 かんざしと同様にs5 かんざしでもコア材にウレタンを使用することでs4、s5 接合部で約 80%の軽量化を行いました(図 2)。

図 2 ウレタンかんざし

総括

 今年度の一次構造は S-310 の設計に問題がないかを疑うところから始めてその上で問題がないと判断したためより信頼できる設計になっていると考えます。スケジュールは例年よりも早くなりますがs0 まわりなど製作精度がより求められる部分では特に丁寧な作業を心掛けて円滑な班運営を行います。