プロジェクションマッピング制作秘話

こんにちは。模型班にて、プロジェクションマッピングの映像制作を担当したものです。

今年度の芝浦祭では、模型を宙に浮かせ、そこにプロジェクターで映像を投影し、プロジェクションマッピングを行うという、今までにない取り組みを行いました。

芝浦祭からまもなく一週間が経とうとしていますが、ここで少し、プロジェクションマッピング映像の制作秘話を記そうと思います。

利用ツール

以下が、プロジェクションマッピングの映像を作るにあたり使用したツールです。Blenderについては、フェアリング班にめちゃくちゃ得意な方がいて、その方に、機体のCGアニメーションを制作していただきました。

ツール名用途
DaVinci Resolve動画編集
Blender機体のCGアニメーション制作
Google Earth Studio飛行シーンの撮影
Photoshop機体の切り抜き、素材作成
PowerPoint素材の作成、当日の映像再生

制作の流れ

映像構成は、芝浦祭の一か月前くらいから考え始め、実際の制作を開始したのは3週間前くらいです。頭の中で考えた映像構成を書き出し、作れるところから徐々に作っていきました。

ナレーションが入る部分は、最初自身の声を録音し、仮で入れてスクリプトやタイミングなどをチェックした後、声優さんに録音してもらい、差し替える手法を取りました。

機体解説パートのCG映像や説明文は、ほかの方に作ってもらったので、データを受け取り次第、うまく楽曲とのタイミングを揃えながら、映像に組み込みました。

プロジェクションマッピングの映像制作は難しいもので、常に投影対象の位置やサイズを考慮しなければなりません。ただ、今回の投影対象である模型は、ギリギリに完成し、かつ、実際に吊り下げてみれるのは、芝浦祭前日の準備日という状態でした。

そこで、極力芝浦祭前日の負担を減らすべく、機体をかたどり、その画像ファイルをインポートするだけで、プロジェクションマッピングの映像における機体位置を調整できるよう、映像の作り方を工夫しました。

こだわりポイント

最初のシーン

最初のシーンは、某アニメの次回予告をイメージして作りました。文字の配置や表示されるタイミングは、結構工夫が必要でしたが、一番こだわったポイントは、表示されるテキストです。

これらは、単に私がいい感じのものを入れたのではなく、鳥人間コンテスト本番に向かうトラックに、先輩たちが記した応援メッセージを、そのままお借りしたものになります。また、一部は、機体のフレームに書かれたメッセージになっています。

過去の活動写真から、これらテキストが映っているものを探し、丸一日かけて抽出、アフレコしました。

先輩方へのリスペクトを込めて、また、当時の部員の心境をそのまま伝えるという意味においても、結構良い取り組みだったのではないかと思います。

機体解説シーン

機体解説シーンでは、背景に映る映像と模型の両方に注目してもらうため、いくつか工夫を凝らしました。背景のCGが素晴らしすぎるため、どうしてもそっちに目が行ってしまい、模型が手前にある必要性がなくなってしまう(プロジェクションマッピングにする必要がない)のが課題でした。

そこで、模型の各部にスポットライトを当て、その陰が背景に映ることで、模型の存在感を増やし、プロジェクションマッピングならではの演出を可能にしました。

一回目の飛行シーン

一回目の飛行シーンは、実際に今年の夏、Miyabiが鳥人間コンテストで飛んだ様子を再現しているものになります。

残っていた飛行映像をもとに、スタートから何秒で機体が傾きだし、何秒で落下したのかのデータを取得し、それを、Google Earth Studioという、Google Earth上で空撮映像をとれるサービスで再現しました。

正直、プロジェクションマッピング上で、機体を落下させるかの判断については、悩むものがありました。しかし、全体の構成やストーリー性を考えたときに、やはりあの落下なしには、次の機体は語れないし、私たちの悔しさを、多くの方にも感じてほしいという思いもあり、最終的には入れることにしました。

二回目の飛行シーン

二回目の飛行シーンでは、機体が宇宙まで舞い上がります。模型であるし、プロジェクションマッピングであるから、最後くらいは、現実的なことから離れて、ただ美しく飛ぶ機体の姿を見てほしいという思いがあり、このようなファンタジーな作りにしました。

宇宙に行く途中、夕日が反射するMiyabiの姿は、本当に美しいです。

電装との連動

模型のER、プロペラ、駆動は、電装で動くようになっているわけですが、これとプロジェクションマッピングを連動させるという発想は、結構画期的なものだったと思っています。

飛行シーンでのERの動きも、わりと忠実に再現していて、映像的に、機体が上昇しているシーンでは、きちんとエレベータを上にあげたりしていました。

実は、当初は、プロジェクションマッピング開始と同時に、模型のコントローラにコマンドを送り、自動で時間指定でモータが動く(例えば、飛行シーンの秒数で、プロペラが回るなど)というようにする予定でしたが、上手くいかず、手動で映像を見ながら制御することになりました。