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100℃の窯でサーボモータクッキング

きたるFBW vs WLの争いに向け(仲良くやってます)、電装班は、サーボモータの耐熱試験を行いました。

FBW(フライバイワイヤ)とは、サーボモータなどで電気的に尾翼を制御する操舵方式です。逆にWL(ワイヤーリンケージ)とは、紐で引っ張って物理的に尾翼を動かす操舵方式です。

それぞれメリット・デメリットがあるのですが、FBW(サーボで動かすほう)の最大のデメリットといえば!灼熱の琵琶湖で、サーボモータやマイコンが制御不能になってしまうリスクがあることです。

そこで、事前にサーボを加熱して、使用予定のサーボがきちんと動作するのか確かめることが重要になってきます。

以前、別の会社のサーボモータを使って、同様の試験をやったのですが、(昨年琵琶湖に沈んだサーボモータをそのまま使ったせいか)、温度が上昇すると、挙動が不安定になってしまい、実験失敗という結果に終わっていました。

そこで今回は、サーボモータの動作温度を自分たちで設定できる、近藤科学のサーボ「KRS-6003HV」を利用し、再度実験を行いました。

なぜか部室に落ちていて、たぶん5年くらい前のやつだと思います。サーボの性能は以下の通りです。

商品名KRS-6003HV ICS Red Version
商品リンクhttps://kondo-robot.com/product/krs-6003hv-ics-red-version
最大トルク67.0kgf・cm
電源電圧9V~12V

近藤科学のサーボの最大の特徴は、動作温度の制限を、自分で変更できることです。デフォルトでは75℃になっているらしいのですが、(この温度制限を知らず、複数のチームの機体が、今まで電装トラブルに巻き込まれています)、設定変更で120℃以上にすることができます。

設定の変更方法や、サーボの動かし方は、以下の記事をご覧ください!

https://teambirdmantrial.jp/diary/近藤科学krsサーボの温度制限を変更する
https://teambirdmantrial.jp/diary/近藤科学のkrsサーボをマイコンesp32で動かす

今回は、サーボモータの動作温度制限を120℃以上にし、桁温度が80℃の窯の中でサーボを30分間焼き続けるという試験を行い、きちんと動作温度制限が変更されているのか、そして、灼熱の琵琶湖でもきちんと動作できるのかチェックしました!(結果的にサーボの温度は100℃を超えたので、タイトルで100℃の窯と書きました、ごめんなさい

あらためて、試験要綱は以下の通りです。

使用サーボ近藤科学 KRS-6003HV ICS Red Version
負荷トルク30kgf/cm
サーボ稼働範囲±約10℃(約10秒おきにループ)
試験方法サーボ(稼働状態)と桁を、桁が80度超えるまで熱し、そのまま桁の温度80度キープで試験開始(30分間)

サーボを加熱するのには、CFRPでおなじみの窯を利用しました。また、桁の温度、サーボの温度は、熱電対を利用して測りました。

負荷トルク30kgf/cmは、サーボの回転軸から15cmのところに2kgの重りをぶら下げることで実現しています。

試験1回目

時刻桁温度サーボ温度動作
08089問題なし
18191問題なし
27993問題なし
38095問題なし
48097問題なし
58198問題なし
68199問題なし
782100問題なし
882101問題なし
981101問題なし
1079102問題なし
1179102問題なし
1279102問題なし
13問題あり(停止)

試験1回目では、13分経過したところで、サーボモータが停止してしまいました。原因を調べたところ、バッテリー不足でサーボが動かなくなっていたことが判明しました。

そこで、別の、フル充電されているバッテリーを用意し、2回目の試験を実施しました!

試験2回目

時刻桁温度サーボ温度動作
08073問題なし
18073問題なし
28075問題なし
38078問題なし
48079問題なし
58182問題なし
68083問題なし
78186問題なし
88287問題なし
98188問題なし
107989問題なし
118091問題なし
128192問題なし
138193問題なし
148194問題なし
158095問題なし
168095問題なし
178096問題なし
188197問題なし
198199問題なし
208099問題なし
2181100問題なし
2282101問題なし
2381101問題なし
2482101問題なし
2581102問題なし
2680102問題なし
2780103問題なし
2881104問題なし
2982105問題なし
3083105問題なし

考察

2回目の試験では、バッテリー不足の問題もなく、サーボの温度は最大105℃まで上昇しましたが、問題なく動作しました!すごい、、、

また、サーボ自体が、トルクによる電流で自主的に発熱し、温度が上がるため、桁の表面温度より最大およそ+20℃、サーボの温度が高くなることがわかりました。

試験1回目のサーボ温度が、最初から高いのは、それより前の試験の余熱が残っていたためです、、、すみません、、、

桁の温度が80℃、サーボの温度が105℃で動作するならさすがに本番も大丈夫、、、?

と思いたいのですが、やっぱり不安なので、実験道具一式を琵琶湖に持ち込んで試験することにしました!次回、そのレポートを載せたいと思います!